ワークショップ / NPO法人 こどもの広場もみの木

20回目を迎えた「森のようちえんワークショップ」 Vol.1

2017/11/9

明日から4日間の日程で、今年度2回目の森のようちえんワークショップを開催します。
前回は春から夏へ向かう草木が生い茂る季節に、新年度を歩み始めたばかりの幼い子どもたちが、
不慣れながらも自分たちで遊びを見つけ出し、子どもの時間をつくっていく日常をご一緒していただきましたが、
今回は秋から冬へ季節が移り変わる舞岡の自然の中で、春よりはちょっぴり大きくなって、
秋の実りをからだにため込んできた子どもたちが、皆さんをお迎えします。  
子どもたちの日常は、ひとりひとりが遊びを見つけ出すことから始まります。毎日が、その繰り返しです。
繰り返していることは、自分で見つけるということ。心が動き、からだが動き、友だちと一緒に遊びを生み出していきます。
子どもたちの成長の舞台は、里山の自然。原っぱ、丘、山道、田んぼ、小川、池、、虫や鳥、木や草花、木の実、
土、石、水、風、雨、そしてお日さまが、子どもたちを待っていてくれます。私たちが暮らす横浜という大都市にも、
まだまだ子どもたちを育ててくれる、豊かな多様な自然があるのです。その環境を守ることも、私たちの使命だと考えています。  
森のようちえんワークショップは、20回目を迎えました。もみの木園も誕生以来、今年で20年目ですが、
このワークショップは2007年から始めました。当初は年1回の開催でしたが、多くの方々のご要望があり、
2009年より春と秋の年2回開催に切り替え20回目となりました。継続する力となったのは、参加者の子どもたちが
自然の中で遊び始める姿、子ども同士が響き合って遊ぶ様子を、皆さんで楽しみながら見守ることが出来てきたからです。  
初めて出会った大人の方たちと、子どもたちの1日をつくる協力をし合うという取り組みにも、意味を見出しています。
毎日、子どもも大人も新しい出会いがあり、一緒に歩きながら気持ちが触れ合い、時間の経過と共に一緒にいることが
心地よくなってくる感覚を、数え切れないほど味わってきました。今回もきっと…。  ご参加の皆さんをお迎えするのは、
もみの木園の2歳から6歳の子どもたちと、保育者、保育サポート(卒園したお母さんたちともみの木園の支援者)、
在園のお母さんたちです。  またワークショップの毎日のことを、小さな記事にまとめて「ワークショップ便り」を綴って、
皆さんにお届けしたいと思います。

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楽しい! Vol.2

2017/11/10

森のようちえんワークショップ1日目。今日の参加者の子どもたちが、にこにこしながら集まってきました。
もみの木園の子どもたちも、お客さんを迎えてわくわくしている様子でした。いつもの階段に座って、名前を呼ぶことから…。
まず最初に「TOくん」と呼ぶと「は~い!」と返事が返ってくるかと思ったら、しょっぱなから「む~り~!」と、
両手でばってんするしぐさも加えて堂々と張り切ってお返事。次の人も次の人も「む~り~!」と愉快な返事が続きます。
なんとお客さんの子どもたちも迷わず「む~り~!」と楽しそうな返事の声が続きました。面白いと思ったら、
すぐにキャッチして自分もやってみる子どもたち。なんて面白いのでしょう。こんな風に始まった今日、出発前から楽しくなる予感がしました。  まず階段を登ると、おおなばの丘へ向かって、2歳のTAくんを先頭に子どもたちが一斉に駆け出しました。
その中のひとり、初めて参加したHくん(2歳)が、おおなば橋を渡り切ったところで「楽しい!」と叫びました。
自分の中から瞬時に飛び出した言葉でした。 おおなばの丘から田んぼへ向かう途中、石垣の上から跳び降りる遊びが始まりました。
石垣は、高いのから低いのまであるので、子どもたちは、自分で高さを選び、大人に手を添えてもらうかも自分で決めて跳んでいます。  
田んぼの上屋でおやつを食べて、畦道を歩いて、中丸の丘を目指して山道を登りました。だんだんお互いに慣れてきて、いろんな子どもたちが
手をつなぎ合って、急な山の階段を登る道のりを歩きました。丘の上につくと、もみの木園の子どもたちが「ジャングルに行こう!」と
みんなを連れて、丘の奥の茂みに入っていきました。子どもたちのお気に入りの遊び場です。Kちゃん(4歳)もMちゃんも(4歳)
Eちゃん(3歳)もHくんも、どんどん入っていきました。そして出てきたと思ったら、また入っていく…。
ジャングルの中と外の入ったり出たりが、面白そうなのです。あっちとこっち、2つの世界を行ったり来たり、思い思いにジャングル探検ごっこ
の世界が膨らんで、みんなよく遊びました。 お弁当を食べて、また遊んで、中丸の丘からの帰り道、とびはね原っぱを経由して下の道に
出ました。そしてへびマンション(へびには会えませんでした)の前を通り過ぎようとしたところ、子どもたちが次々と横の階段を上り
始めました。そして上に着くと階段脇のU字溝をすべり台に見立てて、滑り降りてきました。雨が降ったときの水路になるところで、
今日は落ち葉が埋まっていました。その落ち葉を子どもたちのお尻で一掃し、子どもたちが連なって滑り降りてくるのです。細い溝は、
子どもたちのからだにジャストサイズ。にこにこ笑顔がずらりと並んで、滑ってきては、また階段を上がっていく子どもたち。
何度も何度も心ゆくまで滑って、帰路に着きました。

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友だちを信じる Vol.3

2017/11/12

ワークショップ2日目。今朝は、もみの木園の子どもたちの中で、泣いている子どもがいました。Kちゃん(3歳)は何やら機嫌を損ねて、
すみれぐみ(年中・年長児)を全員集めて、彼らの力を借りて立ち直りました。 Sちゃん(3歳)は、保育者に抱かれて集まっている
みんなを見ながら、泣きやんでいきました。TAくん(2歳)は、なかなか泣きやめません。おそらくワークショップの取り組みが
理解し難く、違和感の中で困っていたのだと思いました。TAくんは、何かで気を紛らせることが出来ないほど、嘆き続けました。
気持ちを切り替えるきっかけになったのは、泣きながら「RNちゃんは?」と探し始めたことからでした。RNちゃんは、
今日はおうちの都合でお休みだったので、RNちゃんはお休みだと伝えると、「RYちゃんは?」と目をきょろきょろさせて
「あっ!RYちゃん!」と呼びました。そして周りにいる子どもたちの名前を呼び始めました。こうして少しずつ落ち着きを取り戻して
いったのです。子どもたちは、いろんな仕組みを理解しようと、幼いながらも自分の持っている力を駆使して行動を起こします。
子どもの行動は、子どもの内面の表現です。理解出来ないことに気づいたら、動かなくなるのが子どもではないでしょうか。
子どもは、動かないことで自分の内面を表現しているのです。 一方、こんなこともありました。TAくんが動き出すと、
追いかける子どもたちがいます。どこかに行ってしまっては…と心配して止めようと「だめ!だめ!」と制止する言葉が、
TAくんに浴びせかけられます。通せんぼしたり、からだを抑えたりすると、TAくんは、制止を振り切って逃げます。
先週のことですが、T0くん(4歳)が、そんなTAくんを追いかけたり抑えたりしないで「TAを信じるよ」と言ったのです。
TOくんは、今日もそのことを思い出して、追いかけるのをやめました。 今日は、卒園生の小学1年生が3人と、昨年度、
一緒に過ごした友だちも遊びに来てくれました。今年の春に参加してくれたKHちゃん(4歳)と小学1年生のKHちゃんは、
偶然にもここでまた会えて嬉しそうでした。お弁当を食べた中丸の丘では、今日もジャングル探検の遊びが始まりました。
今日の遊びは、木を枝で打ち鳴らす子どもたちが、ひとり、ふたり、3人…と増えていき、まるで打楽器のジャム・セッションのようでした。
木に隠れている子どもが、ライオンのように「ガォ~」と出てくる遊びも、相手が驚く瞬間をみんなで共有して楽しんでいました。
久しぶりに再会出来たKIくん(6歳)は、弓づくりに取り組んでいました。弓になるように工夫しながら手先を動かし没頭する姿は、
弓を自分の手で完成させたいという意欲がみなぎっているように見えました。遊び心がいっぱい行き交って、楽しい1日が過ぎていきました。

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落ち葉が迎えてくれた Vol.4

2017/11/13

昨日と打って変わって、いつもの調子を取り戻した2歳のTAくんは、朝から駆け回っていました。
今日の参加者の子どもたちも、全員が2歳で、何だか動きが似ていて面白いなと思っていると、まず子どもたちが惹きつけられたのは、
山のように積もったくぬぎの落ち葉でした。子どもたちは、落ち葉を両手で抱えてパッと投げ、互いに近づいて遊び始めました。
そのうちに、けやき広場を奥へ奥へと進んでいく子どもたちがいました。落ち葉をビニール袋に詰めて、マジックペンで顔を描く
子どももいました。落ち葉のおかげで、ひとりひとりのからだが自然に動いていくようでした。 朝からゆっくり遊んで、
お腹がすいてきたMくん(2歳)の要望を受けて、もみじ休憩所でおやつにしました。日当たりのいい原っぱで、子どもたちが
輪になって座り、当番のKOくん(5歳)が配ってくれたお芋を食べました。みんなの顔が見えて、和やかなおやつの時間になりました。
今日、出会ったばかりの子どもたちが、こんな気持ちのいい場をつくれるのですね。そのあとは、木登りをしたり、枝を集めたり、
落ち葉で埋もれた斜面を登ったり降りたり、子どもたちが見つけた遊びが続きました。朝の落ち葉遊びから気づいたのは、
子どもたちがずっと地面に近づいて遊んでいることでした。木に近づき、登りたくなったSくん(2歳)は、まだ小さいので
大人が抱き上げて、ちょうどいい木にまたがりました。すぐそばの木に登ったKAくん(3歳)が見えて、お互いに木の上で
ゆっくりしていました。こうして過ぎていく時間は、ひとりひとりの子どもがつくっているのです。 ワークショップの参加者の皆さんに、
田んぼの光景は見ていただきたいものですから、田んぼを通って、古民家へ向かうことにしました。リュックを背負って歩き出す子どもたちは、
お互いをよく見ています。歩き方の決まりなどありません。すみれぐみ(年中・年長)の人たちは、小さい子どもたちを助けようと動きます。
小さい人たちも、ひとりで歩くのか、誰かと手をつなぎたいのか、誰とつなぐのか、ひとりひとりが自分で判断しています。  
MAくん(2歳)は、MUくん(4歳)と手をつないで歩き始めました。階段に差し掛かったとき、MAくんが私を呼んで手をつなぎました。
左手はMUくんと、右手は私とつないで階段を登り始めると、これまで1段ずつ両足をそろえる登り方だったのが、今日は両足を1段ずつ交互に
上げていくのです。初めてのことでした。MAくんは、やろうと決めたら迷わず行動を起こします。新しい力が備わってきたことを知って、
自分で試してみたかったのでしょう。まだひとりでは出来ないことも分かっていて、MUくんと私とつないだ手を支えにして挑んだこと
の意味を考えました。十分ではないことを、互いに補い合っていく…その関係性が社会の原型であればいいなと思いました。

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表情・動作を読み取る Vol.5

2017/11/14

今日は、子どもたちとお母さんたちを誘って、舞岡公園の自然の中で遊ぶワークショップの最終日でした。
6月以来、5ヵ月ぶりのMIちゃん(2歳)とREちゃん(2歳)は、にっこりして「あっ!知ってる!」と
声が飛び出しそうな表情で出会えました。こんなにまっすぐな気持ちを向けられる2歳児の底力に、わくわくしてきました。
子どもって経験したことをどうやって、自分のものにしていくのでしょう。子どもは小さいがゆえに、未熟で何も出来ないからと
世話をされ、大人が与えることが<育てること>とされてはいないでしょうか。どんなに小さくても自分の意思を持ち、
自分の力を駆使して判断し、行動を起こしていることに気づかれないとしたら、本当に気の毒なことだと思います。
保育とは、子どもを知ることなんだと考えてみると、大人が与えることとの違いに気づいていけます。  
今日、初めて参加したAくん(3歳)は、まずみんなの目の前に広がる舞岡の自然を、心地よく感じとっているように見えました。
また少しずつ、まわりの子どもたちの発する様々なサインも受け取り始めていました。ばらの丸の丘に差し掛かると、
鳩がムクノキの実を食べにやってきていました。Aくんは鳩が大好きな様子で、顔を輝かせて鳩を追いかけました。
ばらの丸の丘は、ゆるやかな起伏があり、長々と広がっています。鳩を追いかけていくAくん、初めての場所で、
どこまでも行ってしまうかもしれないので、お母さんは心配だったと思います。もみの木園の子どもたちも、このばらの丸の丘では、
端から端まで駆けて行くことがよくあります。きっとここの丘の地形が、子どもたちを走りたい気持ちにさせるのかもしれません。
走ると転ぶこともあります。砂利道もあり、転ぶと痛くて大変です。しかし、子どもたちの走りたい衝動を抑えるのは、もっと大変です。
瓜久保からの帰り道、舗装した道の方が歩きやすいかと思い、そのルートを選んだのですが、Aくんは、長い道のりに疲れて、
このままでは歩けなくなりそうでした。お母さんに聞いてみると、階段の方が好きだとのこと。他の方もそうだとか。
ちょうどぞうの木の階段近くに来ていたので、湿地の木道から階段の道に方向を変えました。そこから私は、Aくんと手をつないで
一緒に歩きました。階段が好きだと分かって良かったです。階段を1段1段上っていく動作に、気持ちが乗っていくようでした。
ぐらついたりもしますが、目の前の1段1段が励みになります。Aくんと手をつないで、お互いに調子も合ってきました。
こんな感覚を味わいながら、再びばらの丸の丘へ。 今日は4日間の中で、一番長い道のりを歩きました。「子どものペースで歩こう」
と呼びかけたことの意味を振り返り、これからもその意味を深めながら子どもたちと毎日をつくっていきたいと思います。 

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Square_wht_Right.png過去の森のようちえんワークショップ便りは以下よりご覧頂けます。

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