ワークショップ / NPO法人 こどもの広場もみの木

子どもが遊ぶそのそばで気づくこと Vol.1

2018/11/4

今日から秋の森のようちえんワークショップが始まりました。日曜日なのでお父さんの参加もあり、大人8人、子ども7人の皆さんをお迎えしました。子どもは、1歳8ヵ月から6歳まで、もみの木園も2歳から6歳までの子ども集団ですから、同じような時期にある子どもたちが、今日の1日を一緒に過ごしました。参加するひとりひとり、迎えるひとりひとり、誰もが初対面の人の存在に意識したはずです。そこから子どもは子どもを見ながら、心が働き始まるのです。おおなばの丘に向かうとき、すぐに行動した人がいました。誰かと手をつないで歩き始める子どもたち。手をつなぐのは、一方向ではなく、手から手へ相互に伝わり合うものがありますよね。大人はそう思っても、初対面で手をつなぐことは、そうそうあることではないでしょう。しかし子どもは「手をつなぐことだったら、私にも出来るよ」と言わんばかりに、出会ったばかりの人に自分から近づき、手を取ります。小さな手と手がつながった瞬間に、ふたりの間に「いいよ!」という気持ちが行き交い、自然に互いの手をぎゅっと握って歩み始めます。子どもたちの表情は、安心して快い感触を味わっているように見えます。おおなばの丘では、子どもたちが思い思いに動き出しました。丘の外周の道で、リレーをやりたくなったもみの木の大きい子どもたち。今日出会った友だちを誘っています。スタート地点から反対に走っていき、途中で出会ったら「やあ!」とあいさつして戻ってくる「やあやあリレー」が始まりました。緩やかな起伏がある丘を、子どもたちが全力で駆け抜けて行きました。小さい子どもたちは、大きな石のまわりに集まり、泥遊びに夢中になっています。「おやつにしよう」との誘いも断られるほど。泥をこねて作っているのは「すいとん」でした。もみの木園では4日前に千秀センターの野外炊事場で、大きいすみれぐみの子どもたちが、すいとんを作ってご馳走してくれたばかり。小さい子どもたちは、本物のすいとんは作らなかったけれど、こうしてすぐに遊びの中で、自発的にすいとんを作り始めるのですね。それもやめられないほど楽しくて、すっかりすいとん作りの名人のような手さばきでした。すいとん作りをやめられない子どもたちも、雨が降り出してきたため、田んぼの上屋に移動することになりました。田んぼへの道を歩きながら、向かう先が未知の場所でも、子どもたちひとりひとりのからだの中に、一緒に行こうとするつながりを秘めているように感じました。田んぼの上屋でお弁当の後、「お名前を教えて」とKAちゃん(5歳)から声を掛けられたKOちゃん(4歳)は、飛び上がるほどの喜びようでした。朝、私も初対面のゆうとくん(5歳)から名前を尋ねられたときは、感動しました。小さいひとりひとりが、名前を知りたいなと思える人との出会いが生まれて、なんて素敵なんでしょう。今日も子どもたちが、大事なことを教えてくれました。

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2歳は階段が好き Vol.2

2018/11/5

今朝は、昨日の夕方、赤ちゃんが生まれたFちゃん(2歳)に「おめでとう!」のお祝いから始まりました。Fちゃんは、お父さんと一緒に、誰よりも早く舞岡公園に来ていて、次々に集まってきたみんなからの「おめでとう!」に力いっぱい応えていました。Fちゃんにとって、妹が出来た新しい朝のはじまりです。さて今日の参加者の子どもたちは、5人全員が2歳。もみの木園の子どもたちと一緒に、堂々と素敵な姿で並んでいます。みんなの名前を呼んで、もみじの広場へ出発しました。久しぶりのもみじの広場、東屋に荷物を置いて遊び始めました。そのうちに山肌がつるつるの絶好の崖を見つけた子どもたち。大きい子どもは、楽々と駆け下り、小さい人たちは、お尻で滑り始めました。おもしろい!おもしろい!次々と子どもたちがやってきて、代わる代わる滑って遊んでいます。この崖を滑り降りると下の道に出て、しばらく下り坂を進むと長い階段があります。その階段を上って来ると、もみじの広場に戻れます。Tくん(5歳)は小さい参加者のMちゃん(2歳)の手を引いてぐるっと回り、階段を上ってきました。「この子、階段が好きだよ」とTくん。Mちゃんと一緒に歩いてみて、楽しんでいると分かったのでしょう。この時、他の2歳の人も上り階段が好きだと、お母さんたちが教えてくれました。だからここの長い階段を、みんなが上ってきたのですね。田んぼの上屋に着くと、今日も雨が降り出しました。雨宿りしながらお弁当の後、雨が上がり、FKちゃん(2歳6ヵ月)が、畦道を歩き始めました。FKちゃんのお母さんは、少し離れてついていきました。FKちゃんはひとりで歩き、しばらく行くと戻ってきました。「見えなくなったと思ったら、こうして戻ってくるのですよ」とお母さん。戻ってきたFKちゃんの小さな手には、小さな野の花が握られていました。畦道のどこかで見つけて、花を摘んだのでしょう。雨上がりで、水たまりもぬかるみもあり、2歳の人の好奇心を満たす田んぼの畦道です。私は、FKちゃんのゆっくりトコトコと歩むペースに惹きつけられました。自分でずっと先まで行って、みんながいる上屋の前に戻って来ては、また別の方向に歩き続けるのです。眺めているだけで、FKちゃんの世界が感じられて、微笑ましくなりました。それから、お母さんの距離を置いた付き添い方も、なんていいのだろうと思いました。舞岡公園で保育を始めて間もない頃、子どもは畦道で育つと実感したことがありました。畦道は田んぼのためのものですが、畦の幅が小さい子どもたちにちょうど良く、足元に土や草を感じて歩けるし、田んぼの周りを、ぐるっとひと回りして戻ってくる道のりも、子どもたちの目で見渡すことが出来て安心感があります。さらに隣の田んぼへと畦道がつながっているのも、子どもたちが、次へ次へと世界を広げていくのに、ぴったりなのです。ただし、ここは公園だから、畦道の恩恵にあずかれているのですが…。

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子どもの世界 Vol.3

2018/11/7

しばらく前から、もみの木園の大きい子どもたちが、「子どもの世界」という表現を使って、「ここからは子どもの世界だよ」と言って遊ぶことがあります。子どもの世界の入り口に長い枝が置かれて「ここから子どもの世界だよ。入りたかったら、子どもに言ってね。」と言います。入るときは、子どもが手をつないでくれて、枝をまたぐのですが、入れてもらうと、子どもたちはとても親切で、「子どもの世界」を案内してくれます。ところが「あと5分です。おとなは5分で出てください。」と突然の宣告。タイムリミットがあったのです。私たちはおとなの世界に戻っても、子どもたちが枝の向こう側で遊んでいるのが見えます。子どもは、どちらの世界にも出入り自由なのです。おとなと分かち合いたいこともあり、おとなとは一線を画す世界もつくり、その自由度がうらやましいほどです。子どもたちは、そこで物語を紡ぎ、ごっこの世界で遊んでいます。これが、子どもらしさの源でしょうか。今日、中丸の丘でお弁当を食べた後、子どもたちが向かったジャングルは、中丸の丘の表とは別世界の裏に広がる秘密の遊び場。その狭い入り口を入っていく子どもたちは、ちょっと緊張しながらも遊び心が踊っているように見えました。おとなも、思い思いに入っていきます。なかで、子どもがおとなを迎え入れてくれます。どの子も遊びを見つけてわくわくしているので、心が開き人を迎えられるのでしょう。一方、丘の表側で、4歳同士のケンカが起こっていました。参加者のふたりの方(おとな)の手の取り合いでした。ふたりが、すでにつないだ自分の両手を離すのは嫌だと主張し、自分もつなぎたいと一歩も譲らず、怒った顔で主張するひとり。何とかしなければと集まってきた子どもたちが、ひとりひとりの顔を見て困っています。ずっとそばにいた人は、自分なりに何か言ったりしています。つないだ手を離したくないと頑張っているふたりは、まわりの人からの問いかけで、心が揺れ動き始めているようでした。泣き出しそうだけど我慢して、絶対にあきらめない様子です。「つなぎたい!」と最大に口をとがらせて抗議し続けるひとりは、ふたりから目をそらしません。みんなすごい!すごい!  当事者の誰もが、起こっているすべてのことを知っているはずだから、自力で何とかするのを待ちました。そばにいる人の気づきも大事です。人と人がぶつかり合っている状態は、誰でもしんどいものです。どうすればいいんだろうねと解決の糸口を探しながら、一緒にいたことが何よりも意味があると思いました。ふとした瞬間、再び次々と手がつながり始めました。やりたいことは、手をつないで一緒にジャンプすることだったのです。いろんな子どもたちも加わって輪が出来て、あちこちでジャンプ!たちまち笑顔になりました。自分の気持ちを包み隠さず、みんなの中に出して暮らす子どもたち。お互いを引き受け合って、また明日。  

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自由に Vol.4

2018/11/8

最終日の朝、朝みんなで集まり名前を呼んでいると、お母さんに抱かれたYくん(2歳4ヵ月)が泣き出しました。お母さんが「じっとしているのが嫌なんです。自由になりたいって泣いているんです」と恥ずかしそうにYくんの今を伝えてくれました。聞いていた子どもたち、私たちも、「自由に」に大賛成!今日の参加者の子どもたちも全員が2歳で、MIちゃん(2歳1ヵ月)もSくん(2歳5ヵ月)も、もみの木の子どもたちも、すぐに自由に動き始めました。けやき広場は落ち葉で埋もれ始め、やはり子どもたちは、すぐに落ち葉を触り始めました。落ち葉を握ってパッとまき散らし、歓声を上げる子どもたち。昨日、中丸の丘のジャングルで、木が1本、倒れていたのを、Rちゃん(5歳)が植樹したそうです。でも、ちゃんと植わっているか心配だから、行って確かめたいと言っていたので、今日も昨日と同じルートをたどって、中丸の丘を目指すことにしました。 ここでRちゃんが植樹という言葉を使った訳を説明します。先月、丹沢自然保護協会の主催で行われた植樹活動に参加し、生まれて初めての植樹を体験してきました。山の日当たりの良い斜面に、もみの木から参加した親子20人で60本以上の苗木を植えました。モミの木の苗木も植えることが出来たのですよ。Rちゃんは、その体験から植樹という言葉を使ったのでした。子どもは、こうやって体験したことを自分で活かしていくのですね。さて今日の話に戻します。まずは、おおなばの丘でウオーミングアップ。ひとりひとりが、自分で遊びを見つけることから始めます。それこそ自由に…。桜の木に登り始めた子どもたち。ヨコヅナサシガメがいるので気をつけながら、4歳の人も登りました。この木登りは、太い横に伸びた枝にまたがって、先端まで行きます。大きい子どもたち(年中年長)の姿を見ながら、見よう見まねで登れるようになるのですが、自分のからだのバランスを取ることに集中しつつ、恐さを乗り越えて前進していくとき、枝の先端に待っている友だちを一心に見て、力を得ているように感じます。  田んぼへ向かう途中で、お客さんにちっぷさんの木の紹介をするのが、毎日続きました。今回、初めて紹介役をかって出たKAくん(4歳)は、消え入るような小さな声で「これが目、これが口…」と言いました。普段は声が大きい子どもなのに、今日は特別な心構えで臨んだのかもしれません。ひとりひとりの表現も、自由に心情を表せることがどんなに大事かとも思いました。中丸の丘で過ごして帰り道、KHくん(6歳)が、「今日も楽しい1日だったね。毎日楽しくて、願いがかなったね。」と4日間続いたワークショップの最後を締めくくる言葉を伝えてくれました。さらに「おれの願いはもうひとつあるんだ。ワークショップが終わったら、家にみんなに遊びに来てもらうこと。もうみんなとは約束できてるよ。あとはお母さんたちに聞くだけ。」4日間頑張った小さいHちゃんは、帰り道、歩きながら眠ってしまいました。

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