ワークショップ / NPO法人 こどもの広場もみの木

ひとりひとりが一緒にいる Vol.1

2017/6/1

森のようちえんワークショップ初日、今日は本降りの雨になると覚悟していたのですが、朝9時には雨もやみ、レインコートを着なくて出発できました。

まず水たまりに向かった子どもたちは、あっという間に靴のままジャブジャブ…このまま水たまりの遊びが始まると、子どもたちが楽しむ十分な時間が必要になります。今日がワークショップだということ、ここで1日が終わってしまっては参加者の皆さんにとってどうなのか、と瞬時にいろいろ考えました。子どもは幼いながらも保育者の意図していることに感づくものです。「ワークショップでお客さんが来ているから」ということを知りつつ、子どもたちは自分たちのやりたいことをやろうとしているのが分かりました。子どもたちを見ながらジレンマもありましたが、頃合いをみて「うめジュースを飲みに行こう」とおおなばの丘へ誘いました。

一番手は、今もみの木園で一番小さい2歳のTくん。「梅ジュース!」と聞こえた瞬間にからだが動き、ぴゅ~と走って向かったのは、今週月曜日に出来上がったばかりの梅ジュースを飲んだベンチでした。子どもは自分が経験して知っていることに基づいて行動を起します。まだ5月半ばに入園したばかりの新人くんなのに、こうやって自分の力を発揮しているのです。今日の参加者の子どもたちも、朝から一緒に過ごすうちに、舞岡の自然や子どもたちに触れ、見たこと、感じたこと、受け取ったことに触発され、次第に小さなからだが動き出しました。ひとりひとりのペースがよく伝わってきました。

もみの木園の子どもたちも新年度が始まり2ヵ月余り、幼稚園では自分がやりたいことを見つけて自由に遊んでいいんだと分かってきたのですが、友だちとどうやってかかわっていくのか試行錯誤の連続です。 子どもは、友だちに近づき、緊張が走る瞬間がよくあります。子どもたちの様子から想像すると・・・「この人誰?」「見たことあるよ」「こわいかな?」「弱いかな?」「なんかするかな?」幼い人たちが、向き合う相手の顔を覗き込むように見つめ、瞬時にいろんな思いが湧き起こって、さらに相手に一歩も二歩も近づいていきます。すごい緊張感です。もし〝こわい〟気持ちが勝ったら、即刻相手を排除しようとします。すでに近づき過ぎていて、自分から離れるには時間が掛かるので、相手を押して遠のけようとするのだと思います。一方、こわさよりも相手に惹きつけられて触れるほど近づいてみることもしばしば。「顔がある」「この人知ってる」「何か言ってる」「何だかおもしろい」「でもこわいな」と思いがぐるぐるめぐって、結局こちらも相手を押したり叩いたり…。生まれてはじめての人を知るために、感じたように手を出してみると反応が返ってくるから、また確かめなくてはならないのです。

今日の1日を振り返ってみて〝ひとりひとりがくっきりと存在し合って一緒にいる〟という子どもたちのあり方が感じられました。

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歩きながら子どもたちを知る Vol.2

2017/6/2

ワークショップ2日目、今日は横浜開港記念日で市内の幼稚園、小中学校はお休みです。もみの木園はワークショップ開催中ですので、小学1年生が遊びに来てくれました。今日ご参加の方たちも、お子さんの幼稚園がお休みだから来てくださったそうです。こうしてお会いできて、こちらは休みにしなくてよかったです。

このワークショップは年2回開いていますが、久しぶりに出会う子どもたちが、みんな大きくなっていて、前のときより自分から楽しもうとやってきている様子が感じられ、子どもたちと出会い直せる機会が大変嬉しいです。

今朝もまず梅ジュースをごちそうして出発しました。小学1年生は3月まで一緒に過ごした仲間同士、自然に小さい子どもたちの手を引いて歩き始めました。この4月、小さい子どもたちは卒園した子どもたちがいないことに戸惑いました。毎日会っていた人がいないということ、小学校に行ってしまったということ、毎日「どうして?」と聞き続ける人もいました。子どもたち自身が築いてきた仲間関係が、どんなにかけがえのないことかを思い知らされました。その仲間たちが2ヵ月ぶりにみんなの元に戻ってきたのです。姿はすっかり小学1年生になって…。

今日のルートは、ばらの丸の丘からぞうの木の横を通って中丸の丘へ。ばらの丸の丘を思い思いに歩く子どもたちを見ていると〝歩くこと〟の意味に気づかされます。枝や小石を拾ったり、シロツメグサの白い花を摘んで嬉しそうに頬寄せたり、友だちを追いかけたり、自分のからだを動かしていく心地よさを味わって、起伏のある丘の長い道をリュックを背負った小さなからだがずんずん進みました。

丘の終わりに立っているぞうの木に着くと、小学生が登り始めました。今の在園の子どもたちは、誰も登ったことがありません。太い幹のぞうの目に見える節に手をかけて自分のからだを持ち上げていく登り方です。小学生がひとりずつ登っていく様子を見て、園の子どもたちも自分も登ろうと木のたもとに並びはじめました。1年生は全員がぞうの頭の上にまたがり、下から登ってくる園の子どもたちを見ています。年長のFくん、年中のKoくん、Aちゃんが登り切りました。 次に挑んだのは、TKくん(3歳)。そういえばこの頃TKくんは、おおなばの丘の桜の木に登りたがって挑戦し続けています。TKくんの足が地面から離れて、太い幹にしがみつき、全身が貼りつきました。しかしそこからは動けず、下りてきました。次は「登りたい!」と叫び続け待ち続けた2歳のTくんです。Tくんは抱っこして上げてもらおうと思っていたのですが、あまりに太く高いぞうの木の前で、Tくんのからだは小さ過ぎました。この間、ぞうの木のまわりで、登らない子どもたちは、ずっと見て待っていました。見ていたものは長い太い枝を鼻のようにパオ~ンと空に向かって突き上げたぞうの木の姿でしょうか。木登りのプロセスでしょうか。憧れの気持ちを温めながら…。

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遊びが渦巻く活気 Vol.3

2017/6/4

3日目の日曜日です。今日も小学1年生が遊びに来てくれました。彼らは遊びに来ているだけではなくて、園のみんなのお手伝いに来てくれています。卒園するとき「学校が休みの時、手伝いにいくよ」と園生活を終えて小学生になりました。小学校では一番小さい新米さんたち。しかしここに来ると、役割を持って小さい子どもたちを支え、一緒に遊んでくれます。ひとりひとりが自分に出来ることをやっていく様子は、子ども社会の基盤であるように感じます。いつの間にか地域社会には子どもの自治的なつながりが消えてしまってはいないでしょうか。特に小学生時代は本当は〝子どもの中の子ども〟とも言うべき時であるはずです。幼児期に比べて自分で判断できることが増え、自由度も拡大している訳ですから、何か任されれば自分たちで遊び心を駆使して楽しい活動を生み出していくことでしょう。

実は今日、そんな小学生の実力に触れる出来事がありました。 中丸の丘の大きな木陰でお弁当を食べていると、5人の小学生が丘にやってきました。女の子ひとりと4人の男の子。少し離れた町に住む5人は同じ小学校の5年生で、自転車でここに遊びに来たのだそうです。到着後、5人は私たちから少し離れたところにある、小さい木陰でお弁当を食べ始めました。もみの木の子どもたちの小学1年生たちが、まず興味津々、5人に近づいていきました。子ども同士、すぐに打ち解けていく様子が見えました。5年生の子どもたちがお弁当を食べ終わると、すぐに遊びが始まりました。2歳から5歳の子どもたちも次々に近づき、みんなで鬼ごっこが始まりました。5年生の子どもたちは優しくて、小さい子どもたちの手を引いたり、おんぶしてくれたり、小さい子どもたちに合わせて、5年生も1年生もみんなが楽しんでいるのです。喜びの笑顔、笑い声が共鳴し合って。中丸の丘に遊びが渦巻き、活気にあふれていました。

今日ご参加のお父さんも子どもたちと一緒に遊び、桑の実やさくらんぼを食べたり、水場では水遊び、小さなカエルを追いかけたり、ジャングル探検に出かけてきたり、今日ここでめぐり合ったみんなが、解き放たれたように遊んでいる光景に心が揺さぶられました。疲れた2歳の子どもの肩を抱いてひと休みしている5年生の女の子、ふたりは安心して寄り添い幸せそうでした。 思いがけなく出会えた5人の小学5年生のおかげで、子どもの豊かさをいっぱい感じ取って帰路に着くことが出来ました。

偶然の出会いで確かに生まれた子どもたちのつながりは、一緒に楽しむセンスを育んできた子どもたちだから叶ったのでしょう。舞岡公園の自然の中で2歳から5歳の子どもたちと小学生が自由に出会えて「また会いたいな。」「また一緒に遊びたいな。」と、お互いにこんな気持ちを記憶していける地域社会っていいなと思いました。

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待つこと Vol.4

2017/6/5

ワークショップ最終日となりました。この4日間、天気にも恵まれ、青空の下で皆さんとお会いできて何よりでした。今日も気持ちのいい風を感じてスピーディに動き始めた子どもたち。

このワークショップのテーマは「子どものペースで歩こう」ですが、ご参加の皆さんは、きっと子どものペースは速いなと思われたのではないでしょうか。一番小さいTくんがいつでもぴゅ~と駆けて行くので、このスピードに合わせると速いです。子どものペースを大事にするということは、単に歩くスピードのことではなく、子ども自身が持っているペースを引き出すことを大事にしようということです。子どもにとっては自分のやりたいことを見つけることから始まり、遊び込んでいく中で自分で繰り返しながら面白さを深めていったり、新しい遊びに変化していったり、その過程を子ども自身のペースで進めていけるよう最大の協力をしていこうというメッセージをこのテーマに込めています。

今日、もみじ休憩所でこんなことがありました。モグラが地中から地上に土を掘り出しているところを見つけたAちゃんとRちゃんが、みんなを呼びに来ました。ふたりは興奮して「土が動くんだよ。モグラが掘ってるんだよ。」とみんなに言いながら掘り出されたばかりの土を触っています。そこにモグラの姿はなく、みんなは何だか分からないけど、ふたりの緊迫した声に集中して、その気になって土を見つめていました。こんな出来事を共有したあとは、みんなで一緒に居たいものです。明るい原っぱに座って「なむちんかむちん」という絵本を読みました。おまじないで大きくなりすぎたそら豆くんのお話です。一緒に見てお話の中に入っていった子どもたち。みんなで絵本を味わって、気持ちが落ち着き、田んぼへ行くことになりました。田んぼで遊び、お昼のお弁当を食べて、また遊んで帰り道、今日遊びに来てくれたKちゃん(2歳)が疲れてしまい歩くのが大変そうでした。

もみの木園の子どもたちも、もしお母さんがそこにいたら「抱っこ!」と動かなくなる人もいるはずです。帰りの先頭はAちゃんとRちゃん(4歳)でした。その後ろに程よい間隔で子どもたちが連なって歩いていました。疲れているのですが、みんなでわいわい楽しそうです。どんどん足取りが速くなる先頭のふたりに、みんなを待とうと伝えました。後ろを見ると、次々にやって来る子どもたちの顔が見えます。「ここで待とう」と言うとみんなで集まって後ろを見ます。誰がくるかな?とか言いながら。最後にお母さんに抱っこしたKちゃんが見えました。Kちゃんはみんなが待っているのが見えたとたん、するするとお母さんから下りて、待っているみんなに向かって走り出しました。みんながKちゃんに拍手を送り喜びました。「待つ」ということは、自分と他の人のペースの違いに気づくことです。そして待って出会えるときを、待つ人も待たれる人も心待ちに出来ることこそ大事にしたいことだと思いました。

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